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今の美術業界を考える(その326)
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広田稔個展2010 2010年6月5日
5月28日(金)から6月12日(土)まで会期中無休で広田稔先生の
個展を開催しています。初日の金曜日、銀座の夜会の当日と合わせました
ので夜には大勢の方に来ていただきました。本当に有難いことだと
思っています。ただ、少し気をつけなければいけないと反省したのは、
初日というのは、もともとの広田先生のファンの方が買いに来てくださる
大切な日です。それを銀座の夜会ということで初めて画廊に来られる方にも
入りやすくするイベントを同じ日に設定してしまったために、古くからの
お客様が、初めて画廊に来られる人たちに圧倒されて帰ってしまったという
ことでした。画廊としては、新しいお客様にも来ていただきたいので、
今回のことは、完全に銀座柳画廊の判断ミスでした。展覧会の中日あたりに
画廊の夜会を設定するべきでした。
初めて画廊に来られる方は、絵の見方もまだ慣れていないので、先生から
すると「絵を一生懸命に見てくれないと寂しいよ。」ということで、
ごもっともな意見だと思いました。そして、一人ではなく大勢で画廊を
巡ることで、やっと画廊に来ることができるということです。
やはり、画廊巡りを通じてお客様にお伝えしていかなければいけないのは、
作家がいる時のマナーとして
「絵を一生懸命見る」ということなのだと、改めて実感いたしました。
画廊側としては、どうしても お客様に長く滞在してもらいたいという
思惑もあり、画廊の夜会では 飲み物や食べ物をご用意しているのですが
あくまでも、それらは絵を長い間見るための‘おつまみ’なのであって
画廊の主役は絵画なのです。
長い間、画廊側の努力不足でお客様を育てていなかったということもあり、
画廊で絵を見るときのマナーや、作家がいるときのマナーなども、これからは
お伝えしていくことが必要だと思いました。美術館では、多くの来場者もあり
静かに大勢の方が来られるのですから、画廊でもそのようなことは充分に
可能なことだと思っています。
さて、今回の広田先生の作品ですがパステル画だけでなく、モノクロームの
クロッキーも出品していただきました。よく、美術館でみるダ・ビンチや
ドガのデッサンのようで、長時間見ていると非常に味わい深く感動しています。
油絵やパステルも、もちろん素晴らしいのですが、まさしく広田先生の真骨頂
といいますか、裸の広田先生の絵を見るようで、このクロッキーの土台がある
からこそ、素晴らしいパステル画や油彩画が出来上がってくるのだと思います。
作家を理解していく上で、広田先生のクロッキーは重要な要素でもあり、また
デッサンに関して言えば私の知る限りではダントツに一番だと思っています。
文責 野呂 洋子
