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メールマガジン 2010年06月26日発行
柳画廊
『財政問題』

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        今の美術業界を考える(その329)

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 財政問題                   2010年6月26日
 
 世界的に消費税の増税が言われています。2008年のリーマンショックに
 より、各国がこぞって国債を発行して景気刺激対策をうちました。
 そのおかげで世界的に株価も持ち直し、底沼のように見えた景気にも
 なんとか薄日がみえるような状況になりました。昨今の欧米の美術品
 マーケットをみると、リーマンショック以前の水準に戻ってきておりますが
 それは、ドル建て、ポンド建ての水準で円高に見舞われている日本においては
 美術品市況も厳しい局面が続いているように思えます。

 ここにきて、最近ではギリシャ問題がおこり、国の財政破綻の危機が問題視
 されています。ユーロという人工的に作られた貨幣が、金融政策においては
 統一されても、財政問題には干渉できないという矛盾を市場が意識しはじめた
 わけです。ユーロという通貨は、景気がいいときにはドイツの国力にあわせて
 評価されますが、景気が悪くなると最も厳しい局面のギリシャに合わせて
 ユーロが評価されてしまいます。初めは勤勉なドイツ国民が、どうして
 怠け者のギリシャ人のために自分達の税金で助けなければならないのだという
 感情的な問題で、メルケル首相もすぐに救済宣言はできませんでした。
 しかし、結果的にギリシャ問題から発生した劇的なユーロ安により、ドイツ
 の輸出企業は大きな利益を得る事になり、結果的にはその利益を使って
 ドイツはギリシャの救済をすることになりました。

 日本においては、ギリシャよりも厳しい国の財政状況でありながら、日本
 国内で国債が消化されていて、日本国内の金融資産が国債発行残高よりも
 多いという理由で、円が安全だということで円高になっています。
 日本の大企業がほとんど、輸出企業である現実を考えると大きな矛盾を
 感じます。昨年度の秋に政権交代がおこり、民主党政権になり、菅首相に
 なってから、消費税の増税と所得税の税率の上限をあげる話がでてきます。
 年内にも大手製造業の本社を日本からシンガポールにうつすという話もでて
 おり、法人税は下げる方向です。個人的に思うのは、世界の経済が密着して
 動くようになった現在、税金に対する考え方もある程度、世界の中で統一
 した方が安定するように思います。諸外国を見渡すと、特に中国では外国人
 から税金をとって、自国民からは税金をとらないようなシステムです。
 しかし、日本人は外国人には優遇税制をとり、日本人からとれるだけ税金を
 とろうという考え方です。日本でしか仕事ができないのは、政治家と役人だけ
 です。民間の我々は海外に出て行くというオプションが残されていることを
 もう一度考え直す時期だと思います。

                    文責    野呂 洋子



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